PAT® テクノロジー

PAT®テクノロジーは、心血管系および自律神経系を測定するための非侵襲的な検査方法です。末梢動脈トーン (PAT®) 信号は末梢動脈床の血流変化を非侵襲的に測定する独自の技術です。

PAT® 信号は、指先の動脈の拍動性の容積変化を記録します。
非侵襲的な EndoPAT® システムには、PAT® テクノロジーに基づき、プレチスモグラフ 生体センサーをサポートする測定装置が2対、装備されています。
PAT® 生体センサーのユニークな特徴は、指の末端三分の二にあたる部分の、補助拡張期にあるそれぞれの血圧フィールドを伝えてくれることです。
この状態で圧力を加えていくことが、非常に重要なことになります。

  • 静脈—細動脈の血管収縮反射を引き起こす末梢静脈圧の貯留を防ぐことができます。
  • 動脈壁の張力を取り除くことにより、PAT®信号のダイナミックレンジを大きくします。
  • PAT® バイオセンサーを指に固定させることで、指が動くことによるノイズを低減します。。

EndoScore®

血管内皮機能

EndoPAT®は、駆血側とコントロール側、両腕からの測定値によって、反応性充血時に血管拡張によってもたらされる数値の流れを測定します。
EndoPAT® は、「RHI」と「LnRHI」、2つの血管内皮機能に関する指標を提供します。

RHI (反応性充血指数) とは、駆血側における駆血前ー駆血後のPAT® 信号の比率を意味し、コントロール側の数値、及びベースライン血管の状態によって補正されます。

正常 > 1.67
異常 ≤ 1.67

LnRHI は、双方のカットオフを施した自然対数変換後の類似指標です。
正常 > 0.51
異常 ≤ 0.51

自然対数変換は数値変換に過ぎないため、任意の個々 のテストに於ける二つの解析結果は変わりません。
ただ、LnRHI は、RHI より、より正規分布に近い分布図を提供します。疾病の進行に於ける、より正確な分布図を提供できるのです。

※日本ではカットオフ値は承認されていません。

リスクスコア計算機能

EndoPAT® のリスクスコア計算機能は、心血管リスク評価の際に最もよく使用される3つの方法を提供します。

    • フラミンガム リスク スコア: 冠状動脈性心臓病、心筋梗塞または心臓死 (成人治療パネル III、JAMA 2001) の今後10年間に渡るリスクを見積っています。心臓病や糖尿病に罹患していない被験者に適用されます。以下の予測因子を利用して、男性と女性、それぞれ異なるモデルを提供するユーティリティ機能を有します: 年齢、
      総コレステロール値、HDL、収縮期血圧値、高血圧と喫煙のための治療。
    • Score: 欧州に於ける、致命的な CVD (EHJ、2003年) の 10 年間のリスク見積りです。グラフは、以下の予測因子を利用して、低リスク地域 (ベルギー、フランス、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルグ、スペイン、ポルトガル) とリスクの高い地域 (すべて他の欧州諸国) に分けられます: 性別、年齢、総コレステロール値、血圧、喫煙程度。
  • レイノルズ リスク スコア: MI、脳卒中、血管再開通術、心臓死の今後10年間のリスク値を提供します(JAMA 2007、Circ 2008 年) 。レイノルズ リスク スコアは、以下の予測因子を使用しています: 性、年齢、総コレステロール値、HDL、収縮期血圧値、hsCRP、60 歳前に心筋梗塞に罹患した親の存在。

知的財産権

PAT® 信号とその検査方法には、強力な知的財産権が付随されています。
8つの特許が発効され、現在保留中のものを含め、全世界で40以上もの申請が出願中です。最初に許諾された米国特許の請求内容は非常に包括的であり、次のステートメントが含まれています。
「末梢動脈壁の緊張の変化を監視することで、患者の生理学的変化の状態を測定すること」